高校・花園予選

北条高が3年ぶり2回目の優勝

北条41-12三島

第一シードの三島はBKに怪我人が続出。なかなかメンバーを固定できないものの,順当に決勝進出。一方の第二シードの北条は,新田との接戦を制した準決勝と同じメンバー。どちらが勝つかまったく予想のできない決勝でした。

前半の戦いはまさにその通りの展開。開始早々,竹田のトライで北条が5-0と先制したあとも,自陣からも積極的にアタックを仕掛ける北条。これは三島にカウンターアタックを仕掛ける機会を与えないため,蹴りあいを回避し,ランプレーでの勝負を選んだもの。しかしパスはリスクが高く,また接点でのターンオーバーからのアタックは三島の得意とするところ。事実,前半18分には北条が自陣からのカウンターアタックでノックオン・オフサイドの反則。そのPK→タッチキック→ラインアウトからの攻撃で三島HO宮崎がトライ。ゴールも決まって三島が逆転します。さらに24分にも北条のラインアウトのミスから三島がトライ。三島が12-5とリードを広げます。この場面,北条の選手にやや浮足立ったムードが感じられましたが,ここで崩れることなくこらえ,自分たちの得意とするところで勝負を続け(具体的にはNo.8竹田,CTB大塚のあたりで前にでる),28分の竹田のトライで10-12と2点差に迫り,インジュリータイムには40mPGを高木が決めて北条1点リードで前半終了。

後半4分に竹田がトライを決めて(ゴール成功),北条が20-12とリードをひろげたあとは,スコアがこう着。8点差のまま残り時間10分を切ります。ここで中盤で攻めていた三島は右に展開し,3対2のチャンス。しかし三島のパスを北条CTB大塚がインターセプト。45mを独走し,勝利を決定づけるトライ。その後も松田,大塚がトライを奪い,41-12で勝利しました。

戦力的にはどちらが勝ってもおかしくない試合だったと思います。勝敗を分けたものはというと,三島のBKに怪我人が多くメンバーを固定できなかったということもありますが,北条の戦術の徹底をあげたいと思います。とにかく,自陣からでもランプレーで挑む,その意思徹底がなされてたと思います。安易な表現を使わせていただくと,チームの一体感でしょうか。

管理人が印象に残った場面は,前半終了間際のシーン。12-10と三島リードの状況で,北条陣に入ったところで密集ができ,ここで大会本部のブザーが鳴ります。時間がないとみた三島SO大久保は遠い位置からDGを狙います。しかしこれはショート。22mライン内でキャッチした北条FB松田(だったと思いますが)はタッチキックを蹴りますが,これもまたショート。三島の選手が足で大きく前にはじいて,これを北条の選手が確保。ここから北条の選手がアタック。竹田・大塚が抜け出して三島陣に入ります。トライは奪えませんが,三島のハイタックルのペナルティでPGを決めて13-12と逆転して前半を終えた一連のプレーです。タッチキックはおそらくチームの方針には反するものだったと思います。しかし,三島がはじいたボールを再確保してからの「スイッチオン」,アタックプレーは見事だったと思います。自陣からの展開は大きなリスクを伴いますが,敢えてそれに挑んだ北条の選手・関係者の皆様に敬意を払いたいと思います。

北条は,新人戦決勝では新田に12-26で敗戦。四国大会予選決勝では三島に17-34で敗戦。四国大会Bブロックでも脇町に終了間際に逆転負け(14-17)。県総体決勝でも三島と19-19と同点優勝と,勝負どころで勝ち切れずにいました。苦汁を飲まされつづけ,それを糧にしての優勝。選手の皆さん,おめでとう


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